井口大将(沼津車出身)の日記刊行
5巻、功績を後世に
日露戦争(1905年)で満州軍総司令部参謀を務めた沼津市出身の元陸軍大将井口省吾(1855~1925年)の日記がこのほど、5巻にわたってまとめられた。井口の功績を後世に伝える目的で日記の刊行会が5年がかりで作業を続け、講談社エディトリアルから自費出版した。(東部総局・溝口将人)
井口の遺族が防衛省防衛研究所や沼津市明治史料館に寄贈した史料を複写し翻刻・出版した。1875(明治8)年に入学した陸軍士官学校時代の千葉・習志野への野営演習や西南戦争(77年)出征時の記録、休暇を利用して帰省した際の富士登山の様子に加え、「年中重要記事」と称した87(明治20)年当初から1920(大正9)年の年末までの日記、歴任した参謀本部総務部長や陸軍大学校長当時の備忘録、業務日誌などを収めた。
井口と同じ沼津市上石田出身で刊行会の代表を務めた弁護士の井口賢明さん(81)は日記などの文面について「事実をしっかりと捉えて誇張などもない」と井口省吾の人柄を強調する。その上で「流行したコレラに関する日記などもあり、当時の社会事象を知ることのできる史料」と話した。
【静新平成30年3月3日(土)朝刊】
0 件のコメント:
コメントを投稿