平成28年1月17日(日)
平成27年度第10回『沼津ふるさとづくり塾』
1 沼津の関係者が作った島田のパラボラアンテナ 渡邉美和
1 上土朝日稲荷きつねの嫁入り行列 峯知美
1 沼津の商店街一戦後昭和史① 長谷川徹
会場 沼津市立図書館4階第1・2講座室
主催 沼津郷土史研究談話会(略称・沼津史談会)後援沼津市・同教育委員会
当日画像資料
会員ら発表リレー式に
沼津史談会沼津ふるさとづくり塾
沼津郷土史研究談話会(沼津史談会)による第10回「沼津ふるさとづくり塾」が先月、市立図書館講座室で開かれ、会員や市民による発表が行われた。
まず、渡邉美和さんは「沼津の関係者が作った島田のパラボラアンテナ」と題し、戦時中の沼津海軍工廠から見た戦後科学史について話した。
旧海軍は、現在の島田市に研究施設を設置し、様々な技術開発に取り組んでいた。パラボラアンテナの研究も行われていて、直径一〇㍍級の大型アンテナも造られていた。このアンテナの加工が沼津海軍工廠で行われていたという。同工廠では、レーダーや無線機などの電波関連装置を製造していた。
渡邉さんによると、戦後の我が国における電波望遠鏡の開発では、旧海軍の技術が元になった部分もあり、昭和二十八年(一九五三)に東京天文台に設置された一〇㍍電波望遠鏡のパラボラアンテナも、島田のアンテナがルーツとなった可能性もあるという。
上土商店街つじ写真館の峯知美さんは、同商店街で取り組まれている「あげつち稲荷市」や、「きつねの嫁入り行列」について話した。
あげつち稲荷市は毎月十五日開催の特別販売の行事で、地元や各地か取り寄せた名品を扱う。きつねの嫁入り行列は、毎年十月に開かれる、にぎわいづくりの行事で、新郎新婦だけでなく参列者全員が狐面を模したメークをして結婚式を行う。
いずれも過去に途絶えていたのを平成の世に復活させたもので、稲荷市は平成二十一年、きつねの嫁入り行列は二十二年に再興された。
峯さんは、きつねの嫁入り行列にメーク担当として関わっていて、「地域のイベントを通して、子ども達など多くの人が沼津を好きになり、沼津との結び付きを強めるきっかけになれば」と話した。
上本通り商店街理事の長谷川徹さんは、「沼津の商店街 戦後昭和史ー焼け野原から逞しく立ち上がった沼津の商人たちー」と題して話した。
長谷川さんは、平成二十五年の西武百貨店の閉店セレモニーを見たことがきっかけとなり、沼津の商店街の繁栄を記録して後世に伝えようと思い立ったという。以後は市立図書館で様々な資料を調べ続けている。
長谷川さんにとっての「戦後昭和」とは昭和二十年八月十六日から平成三年四月までを指す。平成三年は新宿駅発の特急「あさぎり」の沼津駅への乗り入れが始まった年で、乗り入れ要望活動に携わった長谷川さんにとって印象深い出来事であるから、特に同年までを昭和と連続する時代と見なしたという。
講演で長谷川さんは昭和二十年七月の沼津大空襲で焦土と化した市街地が復興していく様子を解説したのをはじめ、終戦の翌年に映画館の建設ラッシュが始まったことなどや、沼津のランドマーク的な存在だった施設や工場どの来歴等、様々な話題を年表順に話した。
井口省吾や商店街の戦後史
次回の沼津ふるさとづくり塾テーマ
沼津郷土史研究談話会による「沼津ふるさとづくり塾」の第11回講座は、二十日午後一時半から四時ごろまで市立図書館四階の視聴覚ホールで開かれる。会員二人による講演が行われる。
弁護士で史談会会員の井口賢明さんは「陸軍大将井口省吾の足跡その3」と題し、明治期に活躍した大岡出身の陸軍軍人井口省書の生涯を日記類から読み解く。今年で三年目のロングラン講演。
長谷川徹さんは「沼津の商店街戦後昭和史」の続編を話す。
定員二百人(先着順)。
受講料は資料代として五百円。
申し込みは、匂坂(さぎさか)副会長(電話〇九〇-七六八六-八六一二)。または、同会事務局(電話。FAX九二一-一四一一一)。
【沼朝平成28年2月7日(日)号】
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