2020年10月23日金曜日

古墳と都計道路の整備で 市が守る会に進捗状況を説明

 

古墳と都計道路の整備で

 市が守る会に進捗状況を説明

 高尾山古墳を守る会(鈴木博会長)8月、「都市計画道路沼津南一色線・高尾山古墳に係る要望書」を市に提出。これに対して21日、市から回答があった。市教委文化振興課の森剛彦課長、木村聡主任学芸員ら担当職員がサンウェルぬまづで、鈴木会長、江藤幹夫、足立清一郎両副会長に回答を伝え、質問に答えた。



 国史跡指定に向け検討委

 今後、メンバー選定を検討

 都市計画道路沼津南一色線は、国道1号や幹線道路の慢性的な渋滞の緩和を目指して1996年に事業着手し、工事に伴う発掘調査の結果、建設予定地内の古墳が東日本で最古級、最大級の前方後方墳で、考古学上、極めて重要なものであることが判明。

 同会をはじめとする市民団体から、高尾山古墳の存続を求める陳情を受けて検討が始まり、2015年度に有識者による道路と古墳の両立に関する協議会を開催し、古墳の撤去を前提とした道路計画が見直されることになった。

 その後、道路事業と古墳保存の両立と利活用、周辺環境との調和を図る方針で東側2車線は墳丘部と神社の間を橋梁で通過し、西側2車線は墳丘部の下をトンネルで通過する整備案に決定。

 この整備案を基にした設計競技、今年2月に開かれた公開プレゼンテーションの結果、最優秀提案にエイト日本技術開発静岡事務所とイー・エー・ユーが応募した「ふるさとの風景をつくる『みちにわ』」が選ぼれた。

 古墳を主体に構造上、合理性の高いフォルムで、橋梁横に歩廊を付けて視点場を増やし、歩行者や来訪者の安全な動線を確保。古墳周辺の北側広場や隣接私有地から古墳、神社、谷戸川などと一体的につながる空間、地域住民の憩いの場として整備されることになった。

 要望書は「道路整備と古墳整備事業の進展に大きく期待している」として、整備工事の進捗状況や今年度中の予定、今後の年次計画などについて尋ねた。

 市の回答では、331日付で最優秀提案者と道路測量設計業務委託を結び、6月に現地測量と設計業務に着手。7月には古墳の環境整備として墳丘上の切り株撤去を業務委託により実施した。

 また、今年度中に実施予定の計画については、国史跡指定に向けた「高尾山古墳国史跡指定具申書作成検討委員会()」のメンバーの検討、高尾山古墳出土遺物レプリカ作製業務委託を実施し、レプリカは9月末に完成。市文化財保護審議委員会に現状報告を行い、今年度中に高尾山古墳発掘調査の整理作業及び調査報告書2を刊行する。

 さらに来年度は、今年度から引き続き道路測量設計業務委託を実施。高尾山古墳の普及啓発を図る事業を行い、国史跡指定のための具申書作成に向け、文化庁と事前協議を行いながら準備作業を進めていく。

 鈴木会長は「工事で古墳が損傷するようなことがないようにしてほしい。道路と古墳の整備を同時進行しながら、市民のため、まちのために素晴らしいものを造ってほしい」と期待を寄せた。

 江藤副会長は「会で中心的に活動し、今年亡くなった瀬川裕市郎さん、杉山治孝前会長の遺志や人脈を引き継ぎ、古墳の価値を広く市民に伝えていきたい。古代の歴史に関心を持ってもらい、地元の遺産として古墳を大切にしていく」と話している。

【沼朝2020(令和2)1023(金曜日)号】



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