源氏物語最古の写本
都内で発見重文級
定家編さん青表紙本の「若紫」
平安時代に紫式部が著した源氏物語(全54帖(じょう))について、鎌倉時代の歌人藤原定家(1162~1241年)が編さんした最古の写本「青表紙本」のうち5帖(冊)目の「若紫」が見つかり、冷泉家時雨亭文庫(京都市上京区)が8日発表した。
所有者は愛知・三河吉田藩主だった大河内家の子孫で東京都在住の大河内元冬さん(72)。青表紙本は1930年代までに花散里(はなちるさと)、柏木(かしわぎ)、行幸(みゆき)、早蕨(さわらび)の4帖が確認され、いずれも重要文化財。紫式部が書いた原本は残っておらず、約80年ぶりの新写本発見で源氏物語の研究が進む可能性がある。
広く知られている内容と同じだったが、助詞の使い方などに異なる点があった。和歌を上句と下句に分けて書き、読みやすくしていたほか、校訂跡もあった。
元文化庁主任文化財調査官で同文庫の藤本孝一氏らが鑑定した。平安時代から鎌省時代の紙が使われており、末尾に定家独特の注釈である「奥入」が書かれている点などから判断した。
【静新令和1年10月9日(水)朝刊】
0 件のコメント:
コメントを投稿