2018年9月11日火曜日

平成30年7月14日沼津ふるさと講座「歴史の現場に立つこと」市橋章男講師




平成30年9月11日(火)沼朝記事より



物語資源型の歴史観光
発展へ人に話したくなる物語を発掘
 沼津郷土史研究談話会(沼津史談会)は七月十四日、「沼津ふるさと講座」を市立図書館視聴覚ホールで開催した。おかざき塾歴史教室を主宰する市橋章男氏が「家康公の存在と歴史学習」と題して話した。
 市橋氏は徳川家康の出身地である愛知県岡崎市で郷土史の研究や発信を通した歴史観光の育成を行っている。現在は、家康と家臣団をテーマにした「新・家康公検定」の実施に取り組んでいる、
 講話で市橋氏は、歴史観光を単一資源型と物語資源型の二つに分類。前者は金閣寺や姫路城といった、著名な観光名所となっているもの、後者は歴史の現場になった場所を指す。市橋氏は、後者の例として、岡崎市にある家康一族ゆかりの大樹寺や是之字寺を挙げた。
 大樹寺は家康一族の墓がある寺で、桶狭間の合戦で家康が属する今川軍が敗れた際に家康が切腹未遂をした場所だといい、市橋氏は、家康が切腹しようした墓地は、家康の再出発を象徴し、後の天下取りのスタート地点になったと指摘した。
 是之字寺は、家康の祖父松平清康が建立した寺院で、正式な名称は龍海院。「是」の字を手で握るという吉夢を清康が見たことに由来する。
 是の字を分解すると、日・下・人の三文字となり、これは天下の第一人者を意味する、と解説した僧侶があり、これを聞いて喜んだ清康が僧侶のために寵海院を建立したという。
 市橋氏は、これらの逸話を紹介しながら、聞いた人が誰かに話したくなるような物語を発掘することが、物語資源型の歴史観光の発展につながると解説。そして、沼津の物語資源の種として、幕末の沼津城下に現れた遊撃隊を挙げた。
 また、物語資源を発掘して磨き上げるためには地元住民の意識高揚が重要であり、それを生む手段として、郷土史研究団体による学習会や学校での郷土史学習、楽しみながら学べる郷土知識検定などを挙げた。
【沼朝平成30年9月11日(火)号】

0 件のコメント:

コメントを投稿