著名人来訪記録を復刻
保存会 皇族や大名1000人超
国の登録記念物「帯笑園」(沼津市原)の魅力を発信する帯笑園保存会(鈴木邦親会長)はこのほど、江戸時代から明治時代にかけて同園を訪れた著名人の記録をまとめた「帯笑園撮録(さつろく)」を復刻した。
地元の大地主、植松家の植物園だった「帯笑園」は、代々の当主が多種多様な園芸植物を収集し江戸時代には「東海道随一の名園」とたたえられた。
撮録は、9代目当主季服が芳名帳から1798~1901年に来園した著名人の名を抜き出した420㌻の書物。大名や旗本、公家ら千人以上の名がある。同期間以後に訪れた皇族の名も記録され、皇太子時代の大正天皇が10回以上訪れたことも分かる。
保存会は月1回開催している同園の見学会の資料に使おうと、昨年4月に復刻を開始した。元高校教諭の牧島光春さん(71)=沼津市=を中心に作業を進め、年末に完成させた。植松家に残る別の資料も参照し、来園した人物の略歴、園を訪れた際の天候や開花していた植物など、詳細な注釈を付けた。
保存会は、復刻本を沼津市、同市立図書館、県立中央図書館(静岡市駿河区)などに寄贈した。大沢敏夫副会長(67)は「多くの要人が帯笑園に魅了されていたことを知ってほしい」と話す。
保存会は2月6日午後2時から、同市原地区センターで「帯笑園撮録を読む会」を開く。参加費は撮録を簡易装丁したテキスト(B5判200㌻)付きで2500円で、事前申し込みが必要。問い合わせは大沢さん〈電090(6761)3267〉へ。
【静新平成28年1月21日(木)朝刊】
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