フレッシュ一五〇シンポ 千野慎一郎
平成三十一年(二〇一九)は、沼津兵学校が明治二年(一八六九)一月に開校してかち百五十年を迎えます。三年半と短い年月でしたが、沼津地域における教育・文化・医療など多方面で大きな恩恵と影響を与えました。
これまで兵学校や附属小学校については、かなり市民に認知されていますが、附属施設として開設された、我が国でも最初の洋式病院の一つであった沼津病院(後の駿東病院)については、あまり知られていません。
そこで、沼津郷土史研究談話会(略称・沼津史談会)、一般社団法人沼津医師会、沼津香陵ライオンズクラブを中心に、沼津病院が存在した地元の第一地区コミュニティや沼津観光まちづくり市民の会も加わって沼津兵学校創立百五十年記念事業実行委員会(略称・フレッシュ一五〇)を立ち上げ、今年度から三年計画で、主に沼津病院を中心とした沼津の近代医療にスポットを当てた記念事業に取り組みます。
六月十二日(日)午後一時から市立図書館四階講座室でフレッシュ一五〇の設立総会を行い、記念事業をスタートさせます。終了後、会場を視聴覚ホールに移して公開の記念シンポジウムを開催します。三人の講師を迎え、各々基調講演をしていただいた後、沼津史談会の匂坂信吾会長の司会で意見交換とまとめを行う予定です。
講演1は四方一泓先生による「沼津の医と文化」です。四方先生は元国士舘大学教授(社会科学博士)で近代教育史の権威です。沼津市史編纂委員をされ、また、長年にわたり沼津兵学校の医療と文化の歴史についても研究されてきましたので、今回設立されるフレッシュ一五〇の委員長を務めていただくことになっています。
講演2は酒井シズ先生による「杉田玄端とその時代」です。酒井先生は順天堂大学医学部特任教授で、順天堂大学内の日本医学教育歴史館館長でもあります。日本医史学会前理事長を務められた医史学の第一人者です。
最近のNHKテレビ「花燃ゆ」や「とと姉ちゃん」などの医事考証や岩波文庫『ベルツの日記』の巻頭言など意外な分野でも活躍されています。ご両親は昭和の初め、千本に住んでいたこともあり沼津との縁もありました。
講演3は、樋口雄彦先生による「沼津病院顕彰の意義」です。樋口先生は国立歴史民俗博物館教授で、明治史料館学芸員の経歴もある沼津兵学校研究の第一人者です。これまでも沼津では何度も講演されていますし、四月の沼津史談会の総会で「明治文化史のなかの沼津病院」という演題で講演されたばかりです。
このように第一線で活躍の歴史研究者が揃う機会はそうありませんので、当日、ぜひ会場にお出かけいただきご聴議下さい。
シンポジウムは六月十二日(日)、図書館四階視聴覚ホールで、受け付け午後二時から、開演は二時半です。入場無料。定員二百人で先着順です。
問い合わせは事務局の関順一(電話〇九〇-三四五三-七四八九)まで
(フレッシュ一五〇準備委員会委員、宮本)
(沼朝平成28年6月7日「言いたいほうだい」)
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