縄文時代の信仰
縄文時代の生活は木の実などの採集やシカやキジなどの狩猟、川や海での漁労が中心でしたが科学が発達していないこの時代の人々は、木の実は神が作り狩猟がうまくいったり海が荒れて魚がとれなくなるのもすべて神の仕業であると考えていました。
そして神は不思議な力を持ち、姿を見せず、山や木や石などに宿るものとしていました。
こんな縄文時代の宗教はアニミズム(精霊崇拝)やマナイズム・自然崇拝・死霊崇拝(*1)を中心とした神を招き祈り願う祭りと、呪術(まじない)を中心とした信仰でした。
[土偶・配石遺構]
この時代の宗教を想像させるものに土偶と配石遺構があります。
土偶は土で出来た人形ですが殆どが女性像で、その怪奇な形や姿は出産にたいする信仰や神秘的な力をあらわしたものとみられています。また土偶は殆どこわされていることから、土偶を人間の身代わりにする呪術が行われていたことが推測されます。
配石遺構はいろいろな石を並べたり、組んだりしたもので集団で祭りをした場所とみられますが、共同墓地だったという意見もあります。代表的な配石遺構である環状列石は秋田県の大湯、長野県の上原など主に東日本で数十カ所も発見されています。
縄文時代の人々は土偶や人骨から推測すると、頭にくしをさし、耳、鼻、口のまわりには、飾りをつけたり、いれずみをし、手足に貝輪をはめ、首、胸、腰には動物の歯や玉類をつけていたようです。これらのものには神秘的な力が宿っていると信じられ、悪い霊から身を守るために身につけたと考えられています。
(*1)アニミズム・マナイズム・死霊崇拝
アニミズムとは存在するものは無生物にいたるまですべて生きていて霊魂をもっていると信じることです。
マナイズムとは人間の力を超えた神秘的な力を信じることです
死霊崇拝は死者の霊が生者に禍と福をもたらすと考え、死者の霊をおそれたり祀ったりすることです。
0 件のコメント:
コメントを投稿