見えざる資産 匂坂信吾
平成二十八年十二月十三日の本欄に土屋詔二氏の寄稿「沼津のレガシー」が掲載されました。
その趣旨は、沼津の見えざる資産として、明治初期に徳川家・静岡藩によって開設された「沼津兵学校」を取り上、頭取(校長)西周の下に、例えば日本の近代造船学黎明期を牽引した巨人・赤松則良のような人材が集まったこと、沼津史談会で、沼津兵学校創立百五十周年記念事業が企画されているが、「見えざる資産」を「見える化」する契機になるよう期待したいということでした。
続けて土屋氏は、造船絡みの話題で、ロシア船ディアナ号と戸田の関係もある(中略)東京、関西、九州に分立していた造船関連学会が二〇〇五年に統合された際の会長の内藤林大坂大学名誉教授が沼津東高の出身であること、沼津の津は船着き場を意味すること、津につながる見えざる糸のような気がするともされていました。
その後、土屋氏を通じて内藤氏に連絡を取り、来たる五月十二日(土)午後二時半から沼津史談会会総会記念講演として話を伺うことになりまた。
テーマは「維新前、沼津に造船工学の曙光ー江川英龍、反射炉、沼津兵学校、西周、造船工学、榎本武揚、赤松則良、上田寅吉、ディアナ号、下田、プチャーチン、ヘダ号、開陽丸を貫く糸を語る」で、会場は市立図書館四階の視聴覚ホール、入揚無料、定員二百人(先着順)です。
この日は、もう一つの「見えざる資産の見える化」事例として、本会が市民参加で作製した「沼津まちなか歴史MAP」を初めて公開します。
城下町、宿場町の時代から、沼津兵学校があったころまでの沼津の街並は、現在の沼津駅南側中心市街地のどの場所だったかが一目で分かるデジタル地図で、試作段階に見た人達からは驚きと賞賛の声、子や孫に見せたいといった言葉が寄せられています。
会場では地図の映像鑑賞もありますが、希望者には、受付でA4判両面カラー印刷の地図を無料で差し上げます。
さらに受付で、講座の参考資料として会誌『沼津史談』第六十九号を頒布します。その中で、昨年の静岡がんセンター・山口建総長の記念講演「沼津に暮らして十五年」や、井原三午雄・前副市長による講座「沼津のにぎわいづくり」では、それぞれ高尾山古墳やラブ.ライブサンシャインについて述べています。
会誌には講演録を掲載しますが、その内容に沿って、表紙は沼津市教育委員会提供の北側上空から撮影した高尾山古墳の珍しいカラー航空写真、裏表紙は、まちづくりオブジェのタカオウとシーロポのカラー写真としました。この機会にご覧ください。後日、マルサン書店仲見世店でも取り扱う予定です。(頒価一部千円)
(沼津史談会会長、小諏訪)
【沼朝平成30年5月8日(火)「言いたいほうだい」】
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