2020年6月10日水曜日

韮山反射炉発掘調査 シャチ台基礎か痕跡発見 鋳型つる装置構造解明へ


韮山反射炉発掘調査
 シャチ台基礎か痕跡発見
 鋳型つる装置構造解明へ
 
伊豆の国市は9日、発掘調査を行っている世界遺産・韮山反射炉で鋳型を出し入れする「シャチ台」と型乾燥小屋とみられる施設の痕跡を発見したと発表した。シャチ台は大砲の鋳型を鋳台に出し入れする際にクレーンの役割を担う装置。明治期に撮影された写真には、反射炉本体のそばに設置されている様子が残されている。
 調査の結果、深さ約15㌢、1辺約14㍍の四角形の穴に直径20㌢ほどの石が約10個見つかった。柱の基礎部分とみられ、発見された位置も1872年の陸軍省文書の記録と一致する。




写真ではシャチ台の下部が草に隠れていて詳細が分からなかったため、正確な構造の解明に役立つという。
 古絵図で型乾燥小屋があったとされる調査区域では、固く踏みしめられた土間状の遺構約5平万㍍も見つかった。市文化財課の担当者は「絵図などでしか分からなかったことの証明に向け、価値のある成果が得られた」と話した。
 調査は5力年計画の2年目で、5月中旬から実施した。13日には午前11時半と午後1時半の2回、調査の現地説明会を開催する。申し込み不要。問い合わせは同課〈電055(948)1428〉へ。
(大仁支局・小沢佑太郎)
【静新令和2610日(水)朝刊】





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