2020年10月7日水曜日

「近代統計の祖」胸像公開 杉亨二国勢調査100年節目に 沼津史明治史料館

 

「近代統計の祖」胸像公開

杉亨二国勢調査100年節目に

沼津史明治史料館

1回国勢調査から100年を迎え、「日本近代統計の祖」と呼ばれた杉亨二(すぎこうじ)(18281917)の胸像が、沼津市明治史料館(沼津市西熊堂)で今月18日まで公開されている。沼津で国勢調査の原点となる調査をした杉を知ってもらおうと、沼津郷土史研究談話会(沼津史談会)が企画した。

国勢調査は、大正時代の1920年に第1回調査が実施された。人口や世帯数の実態を把握するために5年ごとに行われ、今年は調査の年にあたり、回答期間は7日まで。

長崎生まれの杉は、幕府に仕え、明治維新後、駿河国(現・静岡県中東部)に移り住んで沼津で人口調査を行った。成果は、「駿河国沼津政表」と「駿河国原政衷」としてとりまとめられ、夫婦の年齢構成や生まれた国、職業などが把握された。

その後、杉は人口調査の必要性を説き、明治政府に出仕してからは、初代統計局長にあたる役職を務めた。1879年に現在の山梨県で行った「甲斐国現在人別調」は、国勢調査の試験調査と言われている。官界から引退後も、国勢調査の実現に向けた運動を行った。第1回国勢調査目前の1917年に亡くなった。

沼津史談会の会員で、元県職員の上柳晴美さん(72)は、統計を担当する部署に所属していた頃、杉が沼津で行った調査のことを知った。退職後、杉に関して調べ、史談会が発行する冊子に成果を掲載。この研究をきっかけに、史談会は杉の実績をより多くの市民に知ってもらう必要があると考え、国勢調査開始から100年の節目に合わせ、倉庫に保管されていた胸像の公開を史料館に持ちかけた。来年5月には杉にまつわるシンポジウムの開催を予定している。

胸像は、高さ、幅約30㌢、奥行き約15㌢。杉の亡くなる1年前に制作され、その後、杉の長女が複製し、長女の夫の子孫が2009年に史料館に寄贈した。史談会の匂坂信吾会長(73)は「胸像の展示によって、国勢調査の原点が沼津で行われたという歴史に興昧をもってほしい」と話した。

【読売2020(令和2)107(水曜日)朝刊】




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