新生・沼津史談会 匂坂信吾
平成二十五年度は、沼津史談会としては初めての市民公開講座「沼津ふるさとづくり塾」を三年間の計画でスタートし、昨年六月から市史講座を三回、地域講座を四回、計七回を実施してまいりました。
初回は六月九日、岡野久代氏(史談会会員、日大短大講師)が満を持して臨まれた地域講座「明石海人ー文学の原風景」でした。
海人の祥月命日に当たるこの日、会場には百二十人を超える人が訪れ、"岡野氏は"明石海人を世界記憶遺産に"と主張され、多くの参加者の共感を得ました。
その後も毎回、平均二十人近くの新たな聴講者が加わっており、現時点での参加者名簿登録録数は二百三十五人、延べ参加者数は五百人近くに上っており、一回平均では約七十人となっています。
講座は毎回、講師の皆様の尽力により、塾開設の趣旨に沿った有意義な内容になっています。主催者としては、その成果を後世につながる形で、できる限り生かしていきたいと考えています。
そのためのヒントは、昨年十月十九日に開催された第5回購座「歴史を生かした沼津のまちづくり」の講師・勝亦眞人氏(経済産業省OB、沼津市出身)による講義の中にありました。勝亦氏の主張は"沼津は恵まれた歴史資産をもとに世界第一級の観光都市を目指すべき"という具体的な提案でした。
また、十二月二十一日開催の第7回講座「白隠とその時代」では、講師の国立歴史民俗博物館名誉教授・高橋敏氏からも"白隠顕彰のための地元沼津での取り組みが必要"だとして、同様の発言がありました。
そこで沼津史談会としては、今年の夏ごろまでには本会から独立した新たな組織を作り、こうした”ふるさとづくり・まちづくり"を進めていくために、これまでの垣根を超えて関係者の皆様と協働で活動することといたしました。
そのテーマの一つとして、以前から本会が念頭に置いてきたのは「沼津兵学校開設百五十周年記念事業」です。五年後の平成三十一年は、明治二(一八六九)年一月の兵学校開校から百五十年という節目の年に当たります。
沼津兵学校開設記念事業については、明石海人に関する活動や、三年後の白隠禅師二百五十年忌関連企画と共に、勝亦氏指摘のように"沼津を国内はもとより世界に訴求できる存在とする"具体的な取り組みが必要と考えます。
さて、来たる一月十八日(土)午後一時から市立図書館四階の視聴覚ホールで、皆様おなじみの国立歴史民俗博物館教授・樋口雄彦氏を講師に迎え、第8回沼津ふるさとづくり塾「幕末沼津の国学・洋学」の市史講座を開催します。
その中では"草莽(そうもう)の国学者たち""洋学と海外への関心"など、城下町・沼津での学問がどのように行われていたのか、そして沼津兵学校等、その後の時代への影響はどうだったのか、といった興味深い講義内容が期待されます。多くの皆様の参加をお待ちしています。(資料代五百円が必要)
なお、四月からは新年度の講座や旅行、交流の場などを楽しく、充実した形で提供できるよう計画していますので、こちらも大いにご期待ください。
(沼津史談会・企画担当副会長、小諏訪)
《沼朝平成26年1月9日(木)言いたい放題》
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