歴史を生かした沼津のまちづくり 長谷百合
今年六月から沼津史談会主催の「沼津ふるさとづくり塾」が市民公開講座として始まりました。幸い講座の評判は上々で、全部で九回の予定のうち、既に四回が終わっていますが、九月末現在の実参加者数は一八八人、延べ参加者数は三〇一人に上っています。一回当たり平均七五人の参加があったことになります。
講座の内容は、市史講座と地域講座の二本立てです。
市史講座は昨年まで読書会形式で二年間続けた「沼津市史を読む会」を引き継ぎ、平成二十五年から三年間の計画で沼津市史通史編の「近世」「近代」「漁村」の執筆者から話を伺う形で進めています。
地域講座では、沼津市及び周辺地域の様々なテーマを取り上げ、専門的な立場の講師の話、つまり市史執筆者のような歴史のプロとは違う目線の話を伺います。したがって地域講座は、どなたでも講師として参加することができます。
来月、本紙に掲載させていただく予定の沼津史談会からの「お知らせ」では、地域講座の講師希望者を募集する予定です。
どちらの講座にも共通するテーマは、小文の標題に掲げた"歴史を生かした沼津のまちづくり"です。このテーマが、そのまま演題となっているのが、次回の地域講座③です。ちょうど折り返し点に当たる次回の講座は、十月十九日(土)の午後一時から、市立図書館四階の視聴覚ホールで開催されます。
事前に申し込みをしていない人も当日受講できますが、資料代五百円(会員は二百円)が必要です。
講師は勝亦眞人氏。先日お会いして講座についての話を伺ったところ、同家のルーツは江戸・東京で、先祖は田安(徳川)家に仕えていましたが、戦争中に沼津に疎開したとのこと。
勝亦氏は戦後、沼津で生まれ、東京大学入学を機会に横浜に移転され、卒業後は東芝に入社されましたが、平成十三年施行のいわゆる「官民交流法」により、経済産業省に移られ、国際標準に関する業務などを担当されました。定年退官後の現在は「勝亦国際標準経済研究所」を主宰されています。
また、勝亦氏は二十年来、毎年のようにフランスを中心にヨーロッパの名だたる観光地を訪ねており、いつも気が付くと、その土地と沼津を比較していたとのことで、沼津の持つ観光地・保養地としての恵まれた条件を生かすための提案をしたいということです。
日ごろから「沼津っ子」の眼と「旅人」の眼で沼津を見ており、今回は"複眼の視点"から日ごろ考えていることを話していただけるそうです。
特に話の内容が具体的になるように、できるだけ「一次資料」や「定着した古典」を参加者と一緒に読み、そこに現れる時代背景と沼津の姿を紹介したいとのことです。勝亦氏ならではの斬新な論点に大いに期待したいと感じました。
このような話に関心をお持ちの皆様の参加をお待ちしています。
(沼津史談会ボランティァスタッフ、常盤町)
《沼朝平成25年10月10日(木)号》
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