国内最古級説も 沼津・高尾山古墳
市教委 調査報告書が完成
沼津市東熊堂の高尾山古墳の発掘調査を行っていた沼津市教委は10日、市議会文教消防委員会で古墳の調査報告書の完成を報告した。前方後方墳の同古墳は、西暦230年ごろに成立したとの説があり、市教委は「古墳時代成立の過程を解き明かす鍵になる極めて重要な古墳」としている。
同古墳は、市教委が2008年に発掘調査を開始し、09年には国内最古級の230年ごろに作られた高坏(たかつき)が見つかった。ただ、副葬品の鉄製の鏃(やじり)などがそこまで古くないため、同古墳が250年ごろにできたと唱える研究者もいる。
国内の代表的な前方後方墳は、卑弥呼の墓との説もある奈良県桜井市の箸墓古墳。成立年代は250年ごろとみられる。仮に高尾山古墳が230年ごろにできたとすると、東海地方でも独自に古墳文化が進行していたことになる。
市教委の担当者は「今後さらに研究が進められていくと思うが、決着には時間がかかりそう」と話している。市教委は近く、希望者に調査報告書を販売する予定。また、5月上旬から市文化財センター(同市大諏訪)で高尾山古墳の出土品を展示する。7月下旬には同古墳にまつわるシンポジウムを市民文化センターで開く予定。
(静新平成24年4月11日朝刊)
0 件のコメント:
コメントを投稿