県文化財「長塚古墳」(沼津)
来年度以降 市が調査、復元
沼津市は12日、県文化財に指定されている前方後円墳「長塚古墳」(同市東沢田)の最も主要な墳丘部1千平方㍍を取得した。地権者から寄付を受けた。一目で前方後円墳と分かる形状の美しさから同古墳の見学者は多く、市教委は活用に本腰を入れるため、来年度以降に調査、復元に着手する。
長塚古墳は愛鷹山麓と周辺を支配した首長を埋葬した6世紀の造営とみられ、墳丘部は54㍍あり、全長は70㍍を超えると推定される。1950年代には県東部の前方後円墳.の中で早期の段階で埴輪(はにわ)の列が出土したほか、祭祀(さいし)跡も確認された。
99年に県文化財に指定された。形状が分かりやすいため児童や生徒の見学者も多く、地元から活用の要望を受け、市教委が土地取得を進めていた。今回最も重要な主要部が提供され、未買収の土地は外周部分の約200平方㍍となった。市は全域を市有地にした上で、98年以来の発掘調査を行って古墳の規模など全体像をつかみ、史跡の整備計画を立てる。
市内には3カ所の前方後円墳があり、松長の神明塚古墳、西沢田の子ノ神古墳の他の二つも、長塚古墳の近くに集中している。
(静新平成23年5月13日朝刊)
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