沼津・高尾山古墳追加調査
築造20年後に埋葬
古墳時代初期の前方後方墳「高尾山古墳」(沼津市東熊堂)の発掘調査を進めていた同市教委は27日、古墳は230年ごろに墳丘が完成し、250年ごろに埋葬されたと、調査結果を発表した。市教委の担当者は「墳丘の築造時期と埋葬時期に開きがあるとはっきり分かったのは珍しいケース」と話した。
高尾山古墳は都市計画道路「沼津南一色線」の工事を前にした発掘調査で存在が明らかになった。2008~09年の調査で、古墳の成立年代については卑弥呼の墓とされる箸墓古墳(奈良県桜井市)とほぼ同じ250年ごろとする説と、それより古い230年ごろとする二つの説に分かれたため、年代を明確にするために追加調査を今年5月から7月まで行った。
追加調査は人が埋葬されていた主体部を中心に幅1㍍、深さ2㍍の溝を計7本試掘した。発掘の結果、墳丘から出土した2千点の土器は230年ごろのものが大半で、それ以前のものが見つかっていないことから、墳丘の築造時期は同年ごろと判断した。埋葬時期は副葬品として250年ごろの鉄製のやじりが見つかっていることから、同年ごろとした。主体部周辺から見つかっていた230年ごろの土器は埋葬時に混入したと結論付けた。
(静新平成26年8月28日朝刊)
高尾山古墳シンポジューム資料画像
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