地域の災害史に学ぶ 松村由紀
沼津史談会主催の平成二十五年度「沼津ふるさとづくり塾」も二月十五日(土)午後一時からの開講で最終回を迎えます。今回の地域講座は、大手町出身の八木由之氏による「地域の災害史に学ぶ、滅災のための市民の心得」です。
大手都市銀行の東京都心の職場に勤務されていた八木氏は、平成七年一月の阪神淡路大震災の翌年発足した「帰宅難民の会」に入会し、毎年、都庁前広場から自宅を目指すサバイバルウォークに参加してきました。自宅がある八王子市までは約四二㌔あり、帰宅まで八時間を要したとのこと。
定年退職後、二十二年十二月には防災士の資格を取得し、翌年三月の東日本大震災の後に、奥さまと共に三陸の現地を訪れ、津波被害の状況をつぶさに見聞したそうです。
史談会では、八木氏のこのような経験や知識を生かし、ふるさと沼津の災害史を踏まえて地域住民が取るべき行動を提案していただくよう、一年前に講演をお願いしました。
その後、八木氏は、何度も県内各地を訪れては防災関係機関や博物館、史跡などを中心に調査を重ね、「沼津災害史年表」などの貴重な資料を自ら作成。今回、私達に提供していただける運びとなりました。
市内や近隣地域でも皆さんが関心を持つテーマであり、この機会に多くの方々が参加されるようお待ちしています。
事前の申し込みがなくても受講できます。
会場は市立図書館四階の視聴覚ホール。資料代として一般が五百円、史談会会員は二百円です。
さて、本年四月から二年目となる「沼津ふるさとづくり塾」は、「市史講座」として「近世」の一部と「近代」の『沼津市史通史編』の執筆者六人に講演をお願いしています。
大久保忠佐と天野康景に始まり、沼津での文明開化、沼津繭市場、岳陽少年団、沼津海軍工廠や海軍技研など、興味深いテーマが盛りだくさんです。
また、「地域購座」は、やはり六回を予定していますが、こちらは戦国時代から近世にかけて、"沼津地域と武田氏の関わり"を柱に、武田氏研究会副会長の平山優氏による複数の講座や交流・懇親会、平山氏解説の史跡探訪旅行会などを予定しています。
一方では、韮山代官と沼津藩の関係、陸軍大将・井口省書の足跡、民俗学者・宮本常一と沼津など地域に密着した様々な企画を準備中です。
新年度最初の講座は、四月二十日(日)午後二時三十分から、平山優講師による史談会総会記念講演を兼ねた第1回地域講座「長篠の合戦と沼津ゆかりの大久保兄弟の活躍」(忠世、忠佐)です。
講座は会員以外の方も参加自由で、会場や資料代は二月十五日の八木氏の講座と同じです。
なお沼津史談会では、新規に会員となる方、ボランティアとして講座の運営などに携わる方々を募集しています。
私自身も会員になって三年目ですが、最近では講師の皆さんへの取材や講座の企画・運営のお手伝い、会誌への寄稿や史跡探訪旅行など、史談会の活動に楽しく参加しています。
関心がある方は、本会の企画担当副会長・匂坂信吾(電話〇九〇ー七六八六ー八六一二)まで、お問い合わせください。(沼津史談会会員、長泉町)
《沼朝平成26年2月7日(金)「言いたいほうだい」》
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