清水町の恵ケ後・谷口遺跡
高尾山古墳と関連も
清水町伏見の恵ケ後(えがうしろ)・谷口遺跡で、弥生時代後期から古墳時代前期(200~250年ごろ)に造成されたとみられる大溝が見つかり、発掘した同町教育委員会が7日、発表した。周辺地からは過去に大規模な住宅跡も出土していて、関係者は同遺跡に東日本最古級の前方後方墳とされる高尾山古墳(旧・辻畑古墳、沼津市東熊堂)に埋葬された豪族が住んでいた可能性が高いとみて、調査を進めている。
恵ケ後・谷口遺跡は同町の国道1号伏見インターチェンジから北に約500㍍の住宅地にあり、広さは約4㌶。同町教委は土地開発に沿って断続的に調査していて、直径1㍍以上の柱穴を持っ掘立柱建物跡など、弥生時代後期から鎌倉時代前期ごろの遺構や遺物が数多く見つかっている。
今回の調査は9月中旬から約1カ月間、約270平方㍍の地域で実施。幅6㍍を超える大溝に加えて、10~20㌢の岩が石垣のように積まれたのり面を発見した。当時の住居跡や伊勢湾岸地域が由来の土器、高坏(たかつき)なども見つかった。
町教委とともに発掘を担う調査会社「東日」の小金沢保雄・文化財調査室長は、「この時代では県内に例がない遺構で貴重」と指摘。同遺跡から西に約3㌔離れた高尾山古墳と比べて、「どちらからも西日本で同じ時代に制作したとみられる土器が大量に出土した。いずれも当時、この地域を支配した首長の遺跡ではないか」と分析する。
同町は8日午前11時から現地説明会を開き、大溝などの埋蔵文化財について解説する。問い合わせは同町教委生涯学習課〈電055(972)6678〉へ。
(静新平成23年10月8日朝刊)
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